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ハワーズ・エンドのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ハワーズ・エンド(1992年製作の映画)
3.9
ジェームズ・アイヴォリー監督が、「眺めのいい部屋」「モーリス」に続いてE・M・フォースターのベストセラー小説を映画化。
20世紀初頭のイギリスを舞台に、理想主義的で知的な中産階級と現実的な資産階級の2家族が、別荘“ハワーズ・エンド”をめぐって繰り広げる運命的な人間模様を描く。
原題:Howards End (1992)

姉マーガレット(エマ・トンプソン)、妹ヘレン(ヘレナ・ボナム・カーター)、弟(エイドリアン・ロス・マジェンティ)の三人姉弟で暮らすシュレーゲル家は、
資産家のウィルコックス家(当主ヘンリー:アンソニー・ホプキンス、妻: ヴァネッサ・レッドグレーヴ、長男: ジェームズ・ウィルビー、二男ポール: ジョゼフ・ベネット、長女 :ジェマ・レッドグレイヴ)
と旅行中先で知り合い仲良くなるが、若いふたりが恋愛沙汰を起こしたことで気まずい関係になっていた。
ある日、向かいのマンションにウィルコックス家が引っ越してきたのを機に、ルース夫人とマーガレットは良き友だちとなり、病気で亡くなる時ルースは「別荘ハワーズ・エンドはマーガレットに」と書き残すが、遺族にもみ消される。
やがてマーガレットは、彼女の優しさに心魅かれたヘンリーに求婚され後妻に迎えられる。
一方、妹ヘレンは、失業した知人のレナード・バスト(サミュエル・ウェスト)を、その原因をつくったヘンリーが助けないことに腹をたて、家を出て身を隠してしまう。(レナードの妻(演ニコラ・ダフェット)とヘンリーはかつて愛人関係にあった)
その後、ヘレンはレナードの子どもを身籠ったことを知る…

「結局、お義母様の希望どおりに…。不思議よね」
「ルースは死ぬ前に紙に○○を書いた。意味は○○だったが」

教養ある中産階級、物質的な金持階級に貧乏な勤労者を絡めたイギリスの3つの階級を登場させ、対象的な姉と妹の人生模様を、堅実な演出で描いている。
役者では、特にエマ・トンプソンの好演が光る。
この作品のスタッフでの次回作「日の名残り」は更に必見。
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