エンポリオ

フィッシュストーリーのエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

フィッシュストーリー(2009年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

巡り巡って巡り会うことで世界は回っている。
「フィッシュストーリー」に繋がれた人々のお話。時間軸が激しく前後するが、置いていかれることなく楽しめるように出来ている。
区切られた時代がそれぞれ作り込まれていてるためにどこを取っても見応えがあり、全てが結びつくラストも歯切れが良くすんなりと受け入れることが出来た。要として物語に置かれたバンド「逆鱗」を描くシーンでは青春映画のような空気を楽しむことも出来る。
「正義と悪、正義の味方、ヒーロー」という要素が作品の軸として構えられていて、それぞれの時代で「フィッシュストーリー」に関わった人々がそれぞれの悪に負けじと己の正義を振るう作りになっている。バンドも地球も「どうせ」と言われていたにも関わらず正義を果たしてバンドは散り、正義のバンドのおかげで地球は「どうせ」を維持することが出来た。現在に至るまで地球が「どうせ」と言われ続けている陰には、いつも正義のヒーローがいるのかもしれない、とまで思わせられる程よく作り込まれていた。
エンドロールの作り方も丁寧で、伊坂幸太郎ワールドを存分に楽しめる作品に仕上がっていると感じた。
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