明石です

アルファヴィルの明石ですのレビュー・感想・評価

アルファヴィル(1965年製作の映画)
3.9
「非論理的な行動」を取ったら処刑される近未来都市アルファヴィルを潜入調査した男の話。ディストピア的な世界観でレイモンド・チャンドラー風のハードボイルド劇をやりつつ、フィリップ・K・ディックのSF小説をさらにエクストリームにしたような過激なお話でした。妻の葬式で涙を流しただけで死刑とか怖すぎるし、洗脳に失敗した人々を観客席に座らせ、映画を観させている最中に電撃を流して処刑、そのまま椅子を回転させて巨大なゴミ箱に捨てる「処刑劇場」は発想が恐ろし過ぎて笑った。死者の特権はもう死なないこと、闇を光に変えるのは詩、という詩のような台詞が我が小さき胸に刻まれておる。ハードボイルドだなあ。

——好きな台詞
「たしかに死は恐ろしい。だが平凡なスパイにとってそれは安物のウィスキーのようにありふれたものだ」
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