竜平

となりのトトロの竜平のレビュー・感想・評価

となりのトトロ(1988年製作の映画)
4.5
とある田舎の農村へ引っ越してくる「草壁」一家、その娘「サツキ」と「メイ」がやがて遭遇することになる不思議な“出会い”を描く。

時代設定が昭和30年代前半、とまぁこれは今更ながら調べて知った事実。宮崎駿作品としては『ナウシカ』『ラピュタ』を経て徐々に小難しい部分が削ぎ落とされての、非常にポップな仕上がり。で今でこそジブリ作品と言えば今作のような雰囲気で定着してる気がするんだけど、当時はこれは新しい試みだったんじゃないかなーなんて。また謎や含みが少なくいい意味で更に大衆向けとなって、終始微笑ましくて愛らしくて、夢いっぱい浪漫いっぱいの内容。まず田舎の風景がバツグンに素敵だし、その暮らしの様子も、なんか本当にイイ感じ。ここまで田舎ではなかったけど地元の風景も勝手に思い出したりして。とにかく見ていて楽しい。大衆向けと言いつつ、しかし謎というか敢えて説明しない部分を作ってくるのも宮崎駿作品の特徴だけど、森?大樹?の神様か何かであるトトロを初めネコバスやらススワタリやら、そもそもの正体に関してはやっぱり言及されなくて、それでもしっかりキャラたちに愛着が湧いてしまうんだから本当に見事。で今見ると、ふとしたセリフや描写の中にある細かいヒントを拾って考察するのもおもしろいという。

エピソード含め、登場人物がみんな素敵なんだよなと。まずサツキちゃんが本当にいい子。家族思いで普段はしっかり者として振る舞っているけども、とある出来事のあとカンタのおばあちゃんの前で思わず涙してしまうとこでグッときてしまったり。てかカンタもナイス、サツキちゃんに最初悪口で絡んじゃうあたりはマジで小学生あるある。メイちゃんはもちろん、父タツオ(今更ながら名前知った)もカンタのおばあちゃんも本当にいいキャラしてる。メイちゃんの声優、アグモンじゃんね、これも今更知る。そんなこんなで深いこと細かいこと一切考えず見てるだけでこんなにもワクワク、そしてニヤニヤしてしまう作品ってなかなかないんじゃないかな。我が子を持った時に見せてあげたい一本、その予定はまだないが。
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