ブタブタ

太陽を盗んだ男のブタブタのネタバレレビュー・内容・結末

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ポール・マッカートニーの来日コンサートが中止になった時、ステージに菅原文太が出て来て「ポールなんか来やせんのじゃーい!」と言うシーンが頭に浮かびました。

自分の部屋で原爆を作った中学教師・城戸(沢田研二)
別に革命を起こすでもなく大金が欲しい訳でもなく、理由はおそらく「暇だったから」
でも原爆を作った以上、何かに使わないと勿体ないので一応政府を脅迫したりするもその内容は「巨人のナイター中継を最後までやれ」とか「ストーンズの来日公演をしろ」とか下らない事ばかり。

東海村原子力発電所からのプルトニウム強奪シーンや警察から原爆を奪い返すシーンもどう見たってありえないマンガみたいな展開ですし、ありえない程不死身のターミネーターばりに何処までも追ってくる刑事・山下(菅原文太)にもリアリティはなく、2人の追いかけっこは赤塚不二夫のマンガや『マカロニほうれん荘』みたいなギャグ漫画を見ているようで、シリアスに見えて全編冗談みたいなブラックコメディ。

長谷川和彦監督作品は本作含めてたった2本。
長谷川和彦監督はなぜ映画を撮れない(撮らない)のか。

『家畜人ヤプー』や様々な企画が立ち消えになり現在に至るのですが、中でも幻の大作として何度も話しを聞くのが『連合赤軍』
山口百恵が永田洋子(つまりその時代を象徴するアイドルが演じる)で文化大革命が疫病の様に世界へと飛び火し、共産主義革命が第三次大戦へと発展するパラレルワールドを舞台にした超能力大戦と言う実現していれば上映時間16時間だと言う幻の超大作。
日本が第二次大戦に勝利し大東亜共栄圏が実現したパラレルワールドの更にパラレルな世界とも言える共産主義による世界革命の嵐が吹き荒れる60年~70年代。
『実録・連合赤軍』とは全く違う虚構の連合赤軍。
あさま山荘の水攻めではなく革命思想と超能力の炎が世界を焼き尽くす最終共産戦争(コミュニゲドン)


オマケ。
太陽を盗んだ男の候補タイトルの一つに『日本vs俺』と言うのがあって『シン・ゴジラ』のキャッチコピーが「現実(ニッポン)vs虚構(ゴジラ)」で庵野秀明監督はもしかしてここからとったのか?
『太陽を~』の結末が原爆が爆発する(はっきりそう描かれてはいませんが)ある意味虚構が現実を覆す終わり方なので
『シン・ゴジラ』はどうなるか分かりませんが結末はゴジラが海に帰って行くいつものパターンではなく虚構(ゴジラ)
が現実を覆す今迄にない結末を庵野秀明監督はやってくれるのではと期待してます。
ブタブタ

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