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太陽を盗んだ男のOBのレビュー・感想・評価

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)
3.8
「ルパン三世 カリオストロの城」鑑賞に続き同年制作の本作を鑑賞。(1979年製の二大名作の呼び声高い)

自分なりの大義があるわけでも無く、己の持つ能力を弄ぶかの様に研ぎ澄まし、倫理観、道徳観を超越した狂気に走る若者をジュリーが見事に演じていた。

ストーリーは、この狂気の若者と、その行動に翻弄される人々(警察、マスコミ)の間で進行していく。明確な起承転結や勧善懲悪があるわけでも無く、最後もバッドエンドイメージで映画は終了。

ゲリラ撮影を敢行したらしい緊迫した国会議事堂前シーンや、今では絶対に出来ないであろう、ド派手なカーチェイスなど、エンターテイメント要素も盛り込まれているが、映画のトーンは一貫して、主役の理科教師が体現する不気味さとシュールさで覆われていた。

行間を多く待たせた作りで、カルト的な評価が高いのも納得の作品。


と書きましたが、個人的には、もう少しスッキリハッキリの方が好みかな。ジュリーには最後華々しく散って欲しかった(笑)
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