y

メメントのyのネタバレレビュー・内容・結末

メメント(2000年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

緻密なつくりで一度で理解するのがなかなか難しいですが、見応えのある作品です。
過去に一度観たことがあったものの、内容をほぼ忘れていたので再度観ました。時間を遡るカラーパートと時系列通りに進むモノクロパートが行き来するため、頭を整理しながら観ないと置いていかれます。
難解と言われている作品ですが、一緒に観た人は初見でかなり細部まで的確に理解していました。

あらすじからは「記憶が10分しかもたない主人公が妻殺しの犯人に迫る物語」と予想されますが、冒頭のシーンは主人公が誰かを殺害するシーンから。時系列的には物語の一番最後にあたることは初見でもすぐにわかるのですが、その不穏な空気から「復讐を果たした」わけではなさそうだと読み取れます。
そうなると、主人公はなぜこうなったのか?この映画はどこに向かっているのか?

結論から言えば、主人公の復讐は、映画で展開される物語よりさらに一年以上前に完了しており、そのあたりの真相(妻殺しの犯人が誰なのか、動機は何なのか)には全く触れられません。

この映画は、時系列的には「主人公の妄想に付き合いつつ主人公を利用して金儲けを企むテディが主人公の怒りを買い殺害される話」であり、映画の展開としては「主人公が『都合よく己を騙しながら妄想の世界で生きる男』であることを暴く話」なのです。
y

y