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時計じかけのオレンジのyのネタバレレビュー・内容・結末

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

「サイコパスが出てくる映画」で調べるとよく名前が挙がるのと、レイプシーンが云々という評価をいくつか見かけたので、相当に残虐なシーンがあるのかと構えて観ました。
そう構えいたからか、レイプや暴力シーンの8割ほどは、アーティスティックな演出も相俟ってコミカルなシーンに映りました。

裕福な家庭で育ち、教養もあり、容姿に恵まれていながら残忍な行為そのものに快楽を覚えるアレックス。暴力のセンスも一流。これは確かに、サイコパスの理想像に近い姿です。
作品の前半はそんなアレックスの愉快な暴力と、仲間に裏切られて刑務所に入るまでが鮮やかに描かれていました。

しかし、後半はアレックスを矯正しようとして、政治利用されるシナリオです。今の政府も、その政府をひっくり返そうとする者たちも、アレックスの気持ちに寄り添うことなくただ残忍に利用するだけ。
アレックスが救われようと殺されようと構わないのですが、わたしが求めていたシナリオとは違いました。

映像は最後まで綺麗で、演出も素晴らしいので見応えはあります。
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