このレビューはネタバレを含みます
三船敏郎
山崎努
この二人が凄かった。
仲代達也がキレ者過ぎ。
他にもテレビドラマでおなじみの顔がたくさん。豪華すぎる。さすが黒澤映画。
主人公(三船敏郎)の屋敷の居間。その大きなパノラマ窓は、眺望がよいが、その裏返しで外からもよく見える。
おそらく主人公一家は見られていることを全く意識していなかったのだろう。
部屋の静寂と窓を開けた時の喧騒のコントラストが凄い。
企みと裏腹に、主人公の評判が上がっていくのをみて苦渋の犯人(山崎努)。
逮捕される直前までずーっと無言。
なんか、捜査会議の場面が面白かった。どこが、というじゃないけど、あんな会議、初めて見た。
黄金町、え、黄金町、あんなだったのか?誇張があるだろうとは思うが怖すぎる。
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上映後の町山智浩氏の解説タイム
実は、友人に誘われた時点で、町山氏も作品も知らなかったのでwikiを見たりして調べており、町山氏が語ったメイキング小ネタの部分は既知だった。
が、話はそれだけでなく、楽屋で東宝の人と話していて仕入れたネタとか、黒澤明の悪人感など、ナルホドな話もあった。
演技はもちろん、色彩も風景も全てをコントロールしたい黒澤監督が、新人俳優山崎努のアドリブを採用してエンディングを変えた。
これがどれだけ衝撃的なことだったのか、わかった。
それまでの黒澤映画の悪役は野武士に代表されるように、殲滅すべき顔のない悪…ショッカーの戦闘員みたいなものか。
それが、この作品以降、悪の側に行く背景みたいなものも見えるようになってくるのだそうだ。
わたくしは黒澤映画は他に「七人の侍」しか見ていないので、ヘェ〜と思うばかりだが。
黒澤組とゴジラの製作グループが作ったという「日本沈没」、見ておかねば、と思った。
…見よう見ようと思って幾星霜。