[時空を超える]
主人公のビリー(マイケル・サックス)の、現在と過去と未来が入り乱れている展開にも関わらず、分かりやすく、編集が上手かった。そして、ジョージ・ロイ・ヒルの演出だからかユーモアに溢れていた。
原作のカート・ヴォネガットが、ドレスデンで捕虜になり、そこで爆撃されたトラウマが元になっている。味方に爆撃されたその惨状を目にした衝撃がこの作品を生み出したとのことだし、時空を超えた何かの想いを語ろうとした彼の人生観が影響しているのだろうと思う。
昔に観て、あまり覚えていなかったが、町山さんがドゥニ・ヴィルヌーヴの「メッセージ」との関連で語っていたので再び観てみた。
戦争のトラウマよりも、現在と過去と未来を行き来することに翻弄されながらも、生き抜いていくことがテーマのように思えた(2020.11.3)。