ジャイロ

生きていた男のジャイロのレビュー・感想・評価

生きていた男(1958年製作の映画)
4.0
夏になると死体が消える映画を観たくなりますよね。眠れぬ夏の夜に、今年も消えた死体の理由を楽しみたいと思います。


真夏の夜のミステリー消える死体の映画祭2020

(コロナ禍の影響で今年の消える~は少し遅くなっちゃいました。秋の気配が漂ってきた気もしますが、この4夜だけはまだ真夏設定でお願いします)


映画そのものの評価ではなく、以下①~④の観点で評価して点数をつけます。作品の面白さには全く関係ありません(でも加点して調整してるのはナイショ)。

①死体の消し方に趣向を凝らしているか
②背景
③意外性
④美しさ


「何が真実で誰が信用できるのか?シンプルなシナリオと抑制されたサスペンス描写でいまなおミステリーファンの間で高い評価を受ける幻の作品」

ほほう

こういうのですよ、こういうの。大好き。でもレンタルしてそうにありませんね。買うと…ちょっと高めか…う~ん。と悩むことほぼ一年。この度、少し安くなったのでやっと念願が叶いました。

『生きていた男』

つまり

『(あの時てっきり死んだと思っていたのに)生きていた男』

だと思うんですよ。死体が消えてもおかしくないわけです。ところがですよ、これなんと、死体、出てこないの。そんなのとっくの昔に終わった話、そういう所から話が始まります。死体が消える描写が無い。つまり、この企画、今年は大失敗なわけです。トホホ(;´д`)

ああ、これ以降のレビューがつらい

お願いだから死体が消えて欲しい

回想シーンでいいから…

え?無理?

そこをなんとか…

orz

舞台はスペイン、バルセロナ(から80マイルほど離れたとこ)

オープニングいいですね。男と女が出会えそうで出会えないこの感じ、雰囲気あります。

そして始まりのシーン

なるほど

ネタばらしから来ましたね。

死んだはずの兄を名乗る男のなんと不気味なことか。気持ち悪さがどんどん加速していきます。いつもは仕掛ける側のアン・バクスターが次第に追い詰められていきます。なんか新鮮。

明らかに合成ですが、ドライブシーンは迫力ありました。アン・バクスターが暴走するんじゃないかってヒヤヒヤしましたね。だってほら、彼女、信用できないし…。

あとミルクのシーンね。めっちゃびっくりした。

良くない

あれは心臓に良くない

どこまでも追い詰めてくるのがすごく怖いですね。ラストもびっくりしました。この人誰?ダグラス・フェアバンクスJr?まさか口止めされるなんて思ってもみませんでしたし。まんまとしてやられました。


デフォ1点+以下それぞれ1点満点で

①死体の消し方に趣向を凝らしているか
ある意味、趣向を凝らしていたと言えるでしょう。死体、出てこないけどね!!!!
[0.6]


②背景
ラスト5分のどんでん返しが売りの1958年のこの作品、当時は『悪魔のような女』(1955) とよく比較されたんだそうな。『悪魔のような女』を観ている人は必ずこの『生きていた男』を観ていたんだとか?ホントに?確かに観てるけどさ。面白かったですよね『悪魔のような女』ホラーの香り漂うサスペンス、途切れないスリル、悪魔のようなどんでん返し、そしてあのラスト。余韻が素晴らしかったですね。実に見応えある映画でした。あれ?なんだか『悪魔のような女』の話しかしてない気もするけど、ま、いっか。
[1.0]


③意外性
あったあった。ありましたよ意外性。ミルクのシーンなんかのけぞりましたし、ラスト5分は、まったくもって面白かったです。
[0.9]


④美しさ
これだけは無かった。だって、死体、でてこないんだもの。しょうがない。こればっかりはしょうがない。うん。
[0.0]


この映画、ハリウッド一の快男児ダグラス・フェアバンクス、その息子であるダグラス・フエアバンクス・Jrがプロデュースしてます。
監督は『暁の出撃』のマイケル・アンダーソン。『舞台恐怖症』『暁の出撃』のリチャード・トッドと『イヴの総て』のアン・バクスターが出演しています。
『暁の出撃』は暁に出撃しないけど、スター・ウォーズ感が結構好きなので、これはもう加点しちゃおう。うん。
[+0.3]

それにしても、どんでん返しでしたね。ラスト15分がこんなにも面白いなんて。よし、これはもう加点しちゃおう。うん。
(いいのか?)
(いいんです!!)
(面白かったから)
[+0.2]


この映画、どうしても言いたいことがあるのでネタバレに書き記しておきます。この映画と別の映画について、激しくネタバレしてるので、この映画とその別の映画を観た方以外は決して読まないで下さい。お願いします。

絶対に、絶対にコメント見ないで下さい。

いいですか?

絶対にですよ。

(だったら書かなきゃいいのではとお思いでしょうが、気づいちゃったものはしょうがない。言わないと私の耳がロバの耳みたいになるので吐き出させてもらいます)