矢吹健を称える会

山家の娘の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

山家の娘(1913年製作の映画)
2.7
 ジョルジュ・サンド『愛の妖精』が原作の映画。わたくしこの原作が好きなんですが、意外に映画化されていないようである。IMDbで調べると、1912年に最初の映画が、その3年後にメアリー・ピックフォード主演の本作が作られている。で、その後アメリカでは全く作られていないようだ。

 1915年の映画ということで、まだ演出が洗練されておらず、カメラはほとんど寄らない。字幕(インタータイトル)もかなり少ない。ほとんど原作とは違う話になっているが、まあそれは仕方ないとしても、話運びが緩慢なのは好きになれない。
 ただ、メアリー・ピックフォードとジャック・スタンディングがイチャつく水辺のシーンは目をみはるような美しさ。ここだけで、見て良かったと思ったほど。風に靡く草むら?の中をメアリー・ピックフォードが歩いてくるラスト・ショットも尋常じゃなく美しいが、どうも観客に対して「Goodbye」と言っているらしく(字幕が出ない)、初代『大列車強盗』のラストみたいなメタフィクショナルな終わり方のようだ。アイドル映画っぽい。