矢吹健を称える会

アイアンクローの矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

アイアンクロー(2023年製作の映画)
3.0
 冒頭の白黒パート、ザック・エフロンとリリー・ジェームズがダイナーで抱擁するまでの流れなど、節度の効いた良い映画だなあと思いながら見ていたのだが、だんだん困惑の度合いが大きく……このお話で、何を伝えたいのか、わからなくなってしまった。『フォックスキャッチャー』的な、いわゆるトキシック・マスキュリニティをめぐる話、のはずなんだけど、それにしては父親からの圧がそこまで高くも見えないし。あと「呪い」とかいうけど、三男坊の悲劇なんか飲酒運転だから自業自得じゃんね。
 また、プロレスというスポーツの(個人的な)理解しがたさが、相変わらず視界にシミのようにうっすら違和感を生んではいたものの、ザック・エフロンの説得力ありすぎムキムキバディの迫力には気圧された。

 三男坊の事故を描かないとか、四男坊の死を映さないとか、全体的に上品だ、良くも悪くも。