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バウンティフルへの旅のぺここのレビュー・感想・評価

バウンティフルへの旅(1985年製作の映画)
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主人公のミセス・ワッツが一目故郷を見たいという強い思いから息子夫婦の目を盗んで旅に出る、というお話。

バスで乗り合わせた若い女性、駅舎の男性、保安官…行く先々で出会う人々の優しいこと。
無理矢理踏み込んでくるのではなくて、優しく彼女のお話を聞いてあげて必要なときは手を差し伸べる。大人の優しさというのかな。

ミセス・ワッツは自給自足に近い生活をしてきたのでしょう。今の私たちからは想像もできないくらいに土地と自然に寄り添って生きてきたとすると、彼女はもしかしたらバウンティフルの土になりたかったのかもしれないですね。
最後に土を触っていた様子も印象的でした。

ただミセス・ワッツはもう死を身近に感じているからいいとして、息子のルディは今や都会で生きていくしかないし、母が言うとおりバウンティフルが豊かな土地に戻ったとしても引き継ぐ子どももなく、美しい土地に根ざした生活の記憶はあるものの忘れたふりをして違う前を見なければならず、辛かっただろうなと思います。

嫁は怖い(かといって根っからの悪人じゃない)し、母の全面的な味方もできないし、そんなルディをジョン・ハードが繊細に演じていました。

20年前のBS放送をDVDに焼いていたものを再見。
意外と観れるものですね。

メアリー・スチュワート・マスターソンの父、ピーター・マスターソンが監督、母のカーリン・グリンが主人公のちょっと意地の悪い嫁を演じています。
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