都会の狭いアパートで息子夫婦と暮らすおばあちゃんが、故郷を一目見たい気持ちひとつで逃亡する話。
息子の奥さんと反りが合わず、お金も自由に使えないようにされ、互いに窮屈な思いで暮らして15年。
あんな田舎じゃ暮らせないでしょとは言われても、故郷への思いは募って、婆さんのハートに最後の火をつける。
本当にただそれだけの話なんだけど。
懐かしい故郷は寂れて人がいなくなり、駅もなくなったしバスも停まらない。
それでもなんとか行ってみせると一生懸命な婆さんと、出会った人たちのドラマが静かに優しく流れていく。
ようやく辿り着いたところには誰もいないし、家もボロボロなんだけどさ。
だけど、幸せも悲しみもそこにあって、本当に大切な場所なんだろうな。
バスで出会ったお嬢さんと保安官さんの優しさがありがたい。
ラストは嫁姑戦争の新たな始まりの予感かするけれど、あそこへ行けたことか心を強くしてくれそうだ。