人間が年老いて、様々なことができなくなったり、忘れっぽくなったりとか。
そういう現象が起きると知っていても、当事者目線だとどういうことかを思い知るのは難しい。
感想はこれに尽きる。
認知症になった老人の日常。
娘が面倒をみてくれているのはわかるけれど、それすらもなんだかあやふやで。
大事な腕時計をなくすことを恐れ、年寄り扱いに怒り、娘の伴侶を忘れ、二人の娘について、良いことだけしか覚えていない。
日常の土台はぐらぐらに揺れていて、こんなに怖い思いをしながらか……と思い知る。
介護する側も辛いけど、される側も辛いんだね。
人間てなんて不完全なんだろうか。
こんな風にならなくて済む未来があればよいのにね。
まだ、人類には無理なんだよね。
主演男優賞も納得の名演。人生で一度観ておいた方が良い作品なのでは。