theocats

みかへりの塔のtheocatsのレビュー・感想・評価

みかへりの塔(1941年製作の映画)
3.0
ネタバレ
大人目線だとイライラ子供目線なら理解可能

年代的に戦時体制下の強制児童疎開ものかと思いきや何か違う。作られたのがまだ対米開戦前のようだしね。
どうやら問題児童矯正施設における物語とそのうち気付くが、あの当時すでにそういう学院が存在していたことに少し驚く。私立か公立かまでは分からないが。

最初は大人目線で見ているから子供らの悪たれぶりにイライラし通し。しかし、自分の利かん坊だった子供時分を思い出せばその悪たれも理解できるというもの。

クライマックスは全校先生生徒挙げての水路掘削作業。実際は測量から始めて素人作業のみではうまく行くはずもないが、とにかく無事完成したようだ。
しかし、大きい石を子供だけで裏返すシーンは指や足を潰しそうで冷や冷やものだった。

そしてラストの卒業卒園シーンがじわじわ静謐的な感慨を呼び起こす。
正直言えば評価二つ星ものかなと途中までは冷めた目で見ていたが、良く矯正されたことを自覚できるまでになった各生徒の別れと感謝の言葉に感動まではいかない、上に書いた「静謐的な感慨」を抱くに至った。

総評三ツ星

002005
theocats

theocats