シネラー

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのシネラーのレビュー・感想・評価

4.0
新劇場版の中では
公開当時にも劇場で鑑賞していたが、
再び映画館で鑑賞。
ちゃぶ台返しにも程があると思うが、
好きな映画だ。

物語は前作より14年の歳月が経過し、
一変した世界に翻弄される
碇シンジが描かれる。
目覚めたら14年経過している上、
疎まれていく本作の主人公は、
単純に不憫に感じる。
自分が原因で世界を崩壊させてしまい、
やり直せる可能性を渚カヲルに
促されて行うも、
新たな危機を生んでしまう。
自分が見出だした居場所を全て
否定されていくようで、
新劇場版の中では最もシンジに
共感できる作品かもしれない。
その周囲のシンジに対する反応に
関して、初見だと憤る部分が多いかも
しれないが、冷静に考えると説明不足ながらも相応な対応をしているとは思う。

アクションシーンは、
今までのエヴァに無かった宇宙戦や
戦艦ヴンダーの登場といった
新たな要素に溢れている。
しかし、それぞれの動き方が速い為か、
何をやっているか少し分かりにくいと
個人的に感じられた。
又、前作以上に専門的なセリフが多く、
その説明もされない為、
展開が初見では分かりにくいと思った。

公開当時から
賛否両論を呼んだ本作だが、
何度も鑑賞する事で面白味が増し、
内容への理解が深まっていく作品
だと思う。
作品の雰囲気に明るさや希望が多く
感じられた前二作と違い、
TVシリーズ後半のような陰鬱な展開
となっている本作だが、
良くも悪くも
期待を裏切った秀作だと思った。

これだけ散らからせた四部作の第三作
だが、いったい完結編はどのような
結末になるのだろうか。
期待と不安を抱えながら、
シン・エヴァを待ちたいと思う。
シネラー

シネラー