さうすぽー

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Qのさうすぽーのネタバレレビュー・内容・結末

1.7

このレビューはネタバレを含みます

自己満足点 33点

(このレビューには、一部乱暴な言葉が混じってる事をご了承下さい。)
俺はとりあえず、この映画には色々と怒っています。とても酷く。


「序」のレビューでも書きましたが、自分はエヴァンゲリオンのシリーズがきっかけでアニメ好きになりました。
だからこそ、「破」の結末の後の作品なので最初に観る前は期待値が非常に高かったです。

そして、この「Q」が自分が今までで観た映画の中で最も期待値からの落差(観た後のガッカリ度)が激しかった作品です。


難しい設定や考察が必要な場面が多い事は理解できます。
自分は考察が必要な映画や、観た後に疑問を投げ掛ける映画も好きです。
鬱展開の映画も好きな作品が多いです。
しかし、それを踏まえたとしてもこの「Q」の内容に憤りを感じています。


まずは内容についてです。
何故14年後にシンジが発見されたのか、何故14年も経っていたのかは解りませんが、自らが起こした事件が原因で一般人が含まれてる「ヴィレ」のメンバーから嫌われながら、ミサトには「エヴァには乗るな、何もしなくていい」と言われ、レイの乗ってるエヴァに乗ってネルフ本部に戻ったら「エヴァに乗れ」と言われて混乱し、綾波レイが死んでいたという事実に打ちのめされ、渚カヲルとミッションをこなしていたら大惨事になってしまい、それを食い止めて終わるのが大まかなストーリーです。


自分は、考察が必要な難解な映画が面白い時は必ず好きな登場人物がいたり、映像表現やストーリーの面白さがあってこそです。

しかし、この映画はそもそもストーリーが面白くないです。
ミッションの内容やヴィレのメンバー事情等を丁寧に説明してるのに、シンジがエヴァに乗ると危険な理由等、肝心な部分を説明していないのが問題です。
また、主要人物達がバカな行動を起こす事が多く、それによって様々な悲劇が展開されていくので突っ込みどころが多いです。(例として、ヴィレ本部がアヤナミレイに簡単に突破されたりする等)

「Q」は碇シンジの心を殺すためだけにストーリーや登場人物が動かしている脚本にしか感じないので、そこに憤りを覚えています。
「破」ではそもそも前作のキャラクター設定をそのまま引き継いでいるのであまり破綻はしていませんが、今作ではそれすら失われてしまっています。


とにかく、登場人物の行動が酷い。
そして、自分はこの映画において、あるキャラクターに対して非常に怒っています。
それは、葛城ミサトとアスカです。


まず、アスカから話します。
「破」のストーリーで孤独を恐れるようになったのに、終始孤独なシンジに一方的に責め立てる行動に怒りを覚えました!
もちろん、サード・インパクトを起こしたシンジに対して怒っているのはヴィレのメンバー同様理解できます。
ただ、状況が何も解らないシンジに対して何も説明せずに素っ気なく接してたり、 「ガキシンジ」と呼んだり、挙げ句の果てには終盤は廃人状態になってるシンジに蹴りを入れます。

率直に言います。
今回のアスカはクソだと思いました!💢
シンジが一方的に命令を無視してあんな風になったのは自分のせいでもあるのに「ガキシンジ」呼ばわりです!
お前の言動も充分ガキだっつの!!


そしてミサトです。
今回のミサトに関しては正直往復ビンタを2,3発食らわせてやりたいです!
本当にそれほど怒ってます。
まず、ミサト自信の性格が理不尽なほどに冷酷な性格に変わっていることにもガッカリしてるのですが(14年経ってるのは解るけど)、そもそもシンジに対して冷たい態度で接していた上に首にチョーカーを付けて理不尽に束縛させたりしてるのに、彼に対して解りやすい説明をしないからシンジがあんなザマになってんだよ!理解しろよ!💢
マジで今回のお前は何がしたいの?

そしてお前、「行きなさい、シンジくん!」と破の時に言ってた事は忘れないぞ


あと、眼鏡をかけてるマリも終盤の方で「ちょっとは世間を知りな」とか言ったり、色々と酷いです。

とにかくカヲルを除く殆どの登場人物がシンジに対して冷たい態度を取ることによって、アヤナミレイに捕まったり終盤でフォースインパクトを起こす原因に繋がっているし、どんどん状況が悪化してしまいます。
キャラクターの行動が常にアホ過ぎるんですよ。
おまけに新キャラクター達も全然興味深いキャラクターがいないので、自分には登場人物達が全然感情移入が出来ませんでした。

シンジも頑なにミサトの命令を無視したり、カヲルが止めようとしてるのに全然聞かずにロンギヌスの槍を抜いてしまったり、かなりバカな行動を取ったりしてますが、かなり絶望的な境遇なのでまだ仕方無いようにも思えます。


作画に関しては、
今作は井上俊之や沖浦啓之といった、AKIRA等を描いてる名アニメーターが作画に加わっています。なので、作画の質そのものは前2作も全く劣っていないのですが、顔の質感が今までと若干違ってるのが好きじゃなかったり、バトルシーンにCGを多様しているため、少し目が疲れます。


ただ、カヲルとシンジのやり取りに関しては嫌いでは無いです。
正直テレビアニメよりもずっと二人の交流が長く描かれてますし、二人の間に絆が感じられます。


そして、好きだったところもあります。
カヲルとシンジがピアノを弾いてる場面が好きです。
ピアノを弾く指の動きはリアルだし、楽譜の音符や中にあるハンマーにショットをあてたりして、曲も良かったので結構お気に入りです。


今作のエヴァはテレビアニメの終盤や旧劇場版のような鬱展開が終始みられるので、そのエヴァ要素が好きな人はたまらない一作なのは解りますし、考察しがいのある要素も色々とあるので、評価する人がいるのは理解が出来ます。
しかし、自分はそれ以前にこの映画の内容に納得がいかないので嫌いです。


ただ、次回の「シン・エヴァンゲリオン劇場版」は観に行こうと思います。
監督の庵野秀明氏も、色々とあったそうですし、自分もこのシリーズには愛憎入り交じった色々な気持ちがありますので、どんなに内容が悪かろうが、あるいは巻き返して素晴らしい作品になろうが自分は見届けようと思います。