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ビヨンドのKAKIPのレビュー・感想・評価

ビヨンド(1980年製作の映画)
4.2
記録用
ルチオ・フルチ監督作品。

1920年代舞台となるホテルを暴徒が襲撃し芸術家の男が暴行され処刑される。
それから50年後ホテルを相続した主人公が修復作業を行うが事故や不審死により工事が遅れてしまう。
そんな中謎の盲目の女性に警告されるものの主人公は作業を再開させる、、、。

地獄の門三部作の第二作目。
クゥトゥルフのようなアイテムや事象が起き抗うことのできない惨劇が続くのだが内容はわかるようでわからないのが前作に引き続きある。
今まで論理的にジャッロ作品を作り上げてきたはずなのであえてシュールレアスティックの自動書記のような抽象的なイメージを体験させることに専念しているのかもしれない。

人生は往々にして本当に恐ろしい悪夢であり唯一の避難場所はこの世界に留まりながらも時間の外にいることだと本人は評している。
サンゲリアのレビューでも書いたが特に今作は眼球破壊シーンが多くその意図を「良識の終焉であり完全な自由の獲得」であると解説しているからこそラストの風景、眼球の白濁はビヨンド、現実の向こう側への現実逃避でありハッピーエンドと取れなくもないかもしれない。
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