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恋の罪のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

恋の罪(2011年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

その(園)女たち、恋に罪あり



 2012年1月30日 17時26分レビュー。



カンヌ国際映画祭監督週間正式出品作品。

日活提供(100周年おめでとう!)。
製作「新世紀エヴァンゲリオン劇場版」「ラブアンドポップ」の大月俊倫。
音楽森永泰弘。R18指定。脚本、監督園子温。

今、日本映画で一番精力的で素晴らしい作家性を作品に

ほどなくぶちこみ、

むきだしな感性をふりみだしている

「輝き」をほとばしっている映画監督が、

園子温監督です。

アンモラル要素を四時間もの超大作にまとめあげた「愛のむき出し」

正統派猟奇ホラーを肉弾エロスと毒舌「粉(コナ)」説法で観客にぶちまけた
私の昨年ベスト邦画で輝かしい成人指定「冷たい熱帯魚」

素早すぎる監督曰わくの「家賃3部作」シリーズ

噂は出演さんの水野美紀脱ぐ脱がない系の話題、園監督とトレンディー系女優?水野さん?なんか繋がらない。そして、R18指定という規制。

2012年にはいり、ようやく公開された本作。駆けつけ鑑賞してまいりましたぁ!


イヤー、園監督、前作「冷たい熱帯魚」(以下「ツメネツ」表記) の時も感じたんですが、

本当に「疲れたぁ(ため息、ふー)」この力強さ、キャラの執拗な主張!ラブアンドヘイト的女性達の主張。ねじ伏せられ、すっかり疲れてしまいます。

この疲れは、退屈、つまらない疲れでは、

決して、ありません。

作品の熱、役者の表情にガチガチに閉じ込められ、

エロスとグロと怒号にがんじがらめにかき乱され、作品に魅了されている証拠なんです。

勿論「ツメネツ」より控えめなんですが、とにかく疲れたぁという解放感

ラストの素晴らしい寓話的終着点

私はこのラスト、妙な既視感にとらわれながら、素晴らしい着地点に暗闇に戻され、現実に戻された心地がいたしました。心地よい映画的な解放、明るくなる劇場、帰宅、、(それは、園監督の熱い恋の重い思い吐息のようだ。)

既視感のスタート地点を考える。

それは、園監督の「自転車吐息」の園監督自身の疾走であり、

「うつしみ」の鈴木卓司さんがかぶって見えます、脈をうって見えます、繰り返される主張、叫び走り続ける心象シーンのその(園)的主張が重なったのでした、、。

園監督の恒例の心象風景「ランニング」シーン

園イメージの


グロさ
ピュアネス
ラブ
セックス
肉体
征服
アンモラル
殺意と憎悪
狂喜
二面性
拘束
繰り返す日常
格式様式
命令服従
落ちる堕ちる朽ちる

という園監督の根底イメージを

今度は

渋谷区円山町あたり
痴情事件から

むき出し、ぶちまけていきます!

物語は解説無し、存分に浴びて欲しいため、成人指定です。
 
なお、女性の方は刺激過多と理解不能となるかもしれませんご注意!

私は
神楽坂さんのラストらへんに

完全園監督自身が代弁しているかのように見えました。ゾワゾワァと胸騒ぎが起きました。

アンモラルな姿と殺意と下劣な園ラブ
ソノラブな命令
ソノギルティオブラブ

神楽坂さんの大フューチャーした作品でもありました。ピュアと狂喜と幾多の涙。

言葉と肉弾のハザマに揺れる神楽坂さん必見でございます。

そして
大胆な脇役にも見える水野さん、ラストの姿にやはりうなってしまいました。本作の悩めるストーリーテラー的役割であります。

あとまるでチーターのような

ソノ獰猛な目必見!冨樫真さんは一見の価値有り!

本作の根幹をなす恋の獰猛なリリシスト。


素晴らしい姿!
目に焼きつけてください。


私は、あまりにも強烈で途中、何回か視線をはずしました(良い意味ですよ、、。)

あと黒沢清監督作品でもチラリとうまかった、ブチギレ返しで昨年小ブレイクした

児嶋一哉こと、アンジャッシュ児嶋さん、必見!うまいですね、児嶋さん。

あとあの黒い帽子の青年がなんか気持ち悪い感じで良かったですねー、本当に軽薄で!

あの子も園監督のメッセンジャーではないかなともみえたりします。
中でも必見!

ぶちまける激情ピンクスプラッシュを見逃さないでください。

園監督のソノミュージック、ズンズン音楽も鼓動しています! 
 

冒頭部分のノイズ音楽とともに素晴らしい美しい雑音があふれますよ!




さて
ソノ監督が悪くぶちまけ魅せる
東京渋谷の痴情で汚い純潔純血なラブマッドネス

ソノ恋の罪!
その(園)女たち、恋に罪あり

くらってみてわ、いかがでしょうか!

追伸
やー今村昌平以来に疲れる作家であり、神代辰巳以来素晴らしい女性愛映画を撮る映画監督の誕生だと思います。


これだけ、自分の主張と心象風景を表現しながらも、原作や事実をフィクショナルに表現を成功させている作家さんは、本当に貴重な監督さんです。

「ぴあ」から飛び出した、素晴らしい作家性。もはや、カンヌ、ヴェネチアも時間の問題ではないかと思います。

大好きッ園監督、がんばれ園主張!応援しています。
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