Shin

アルゴのShinのレビュー・感想・評価

アルゴ(2012年製作の映画)
4.2
2020-98

イランのパフラヴィー皇帝は、アメリカの庇護を受けて贅の限りを尽くす一方、国民の生活は貧窮を極めていた。革命によりホメイニが指導者になった後、パフラヴィーは病気治療ということでアメリカに受け入れられる。そしてイラン国内ではパフラヴィーの強制送還を求めて暴動が起き、ついに1979年、イランのアメリカ大使館が占領され、職員52人が人質となってしまった。運良く大使館から脱出した6人は、カナダ大使の公邸に匿ってもらっているところから、CIAによる救出を計画する。

まず、冒頭のデモのシーンは圧巻です。本物の映像も混じっているのでしょうか?中東の空気が感じられるカサついた映像で、彼らの怒りに恐怖を覚えます。

CIAは「アルゴ」という架空の映画の制作のためにイランに来たという設定で、人質を連れて帰るという、信じられない(けど実話)作戦を企てます。
信憑性を高めるために、記者会見を行い新聞の記事に出るようにするのですが、この辺りは、あまりに突拍子もない計画にクスッと笑えます、直前の生々しいデモの緊張との対比が良いです。
しかしその後はまた一転、街での公開処刑やエスカレートしているイランの様子や、アメリカ本国による直前の指示変更など、心臓が掴まれているかのように、息苦しいシーンの連続でした。

観賞後ぐったりで、寿命が縮まった気がします。良作でした。
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