Shin

マックイーン:モードの反逆児のShinのレビュー・感想・評価

4.0
2020-115

伝説となったデザイナー、アレキサンダー・マックイーンのドキュメンタリー映画。

ロンドンのタクシー運転手の父親に育てられ、始めは失業保険を元手に生地を買って洋服を作っていたところから、ヴォーグ誌エディター、イザベラの寵愛を受け一躍有名になる。1995年のショー、Highland Rape では、悪趣味、女性軽視との悪評もありながら、ジバンシィの主任デザイナーに抜擢される。
その後も彼にしかできないショーを次々創作。ポリシーは「最悪の気分か、浮かれた気分で会場を出て欲しい。どっちでもいい。何も感じなきゃ僕の仕事は失敗。」

映画では、いくつかのショーの創作過程や、ランウェイの一部を観ることができます。
1997年のIt’s a jungle out there は、ロンドンに戻って解き放された様な野生的なショーで、凄い勢いを感じましす。
個人的には、2001年のVoss が一番印象的です。これは映画の中では、2001年宇宙の旅と精神科病室を足した感じという説明がありました。
リーはこのショーの後、トムフォードに認められ、グッチと契約しジバンシィを去ります。

公私で攻撃的なリーは、決して幸せでは無さそうです。自分にも他人にも厳しい彼は、人を怒らせることも多く、コカインにも手を出した事を告白しています。溢れる才能があるからといって、「人生楽しくてしょうがない」とはならないのですね。

最後は、最愛の母が亡くなり、母の葬儀の前日に彼も自殺をしてしまいます。

ドキュメンタリーですが、ショーの映像の美しさと共に、マックイーンの心情が描かれており、芸術作品のようでした。
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