べーやん

荒野の誓いのべーやんのレビュー・感想・評価

荒野の誓い(2017年製作の映画)
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インディアン戦争の最中、憎み合うインディアンと軍人の物語。
息をのむ冒頭数分。ロザムンド・パイクの悲痛な演技には終始胸が抉られる。
静かに、時に地響きのようにズシンとした音楽が、この時代の息苦しさとこの作品の重さを物語るよう。
静寂の中にも憎しみと悲しみがどんより漂う。
戦争が落とした影は、各々の心の中で大きくなっていくんだろう、と感じる程、軍人たちの表情は暗い。
人を殺めることに慣れてしまうのかと不安を吐露する新人も、いずれは彼らのようになってしまうのでしょうか。

人間の命の重さとは。この作品の中では呆気なく命が散っていく。静かに唇を噛みながら涙を堪える大尉。
もう止めてって言いたくなる程、憎しみのループが続く。

どんな未来でも、幸せになってほしいと心の底から願うラストでした。