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荒野の誓いのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

荒野の誓い(2017年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

インディアンの酋長の輸送を任された、騎兵隊の話。

冒頭から、白人一家が惨殺される様子が描かれるので、復讐劇への期待が高まるが、復讐そのものは思いの外、淡々と処理される。
それよりも主として描かれるのは、アメリカという国の暴力の歴史。
そして、その罪について、改めて見つめ直す話になっている。

それ故に、映画自体は非常に内省的で、抑制的だ。
「落ち着いた大人の映画」と捉える事も出来るが、一方で「盛り上げに欠ける」と捉える事も出来るだろう。
あれだけインディアンへの憎悪を見せていた主人公が、自然と改心した様に見せる演出は見事だと思うものの、改心へと至る決定的な場面が描かれない為、感情が高まらない。
この辺は好みの差かもしれないが、個人的には淡々とし過ぎていて、物足りない印象を受けた。

良くも悪くも地味な作品ではあるが、キャスト自体は豪華。
クリスチャン・ベールやロザムンド・パイクは流石の演技を見せてくれるし、ティモシー・シャラメが出てくるのにも驚いた。
残念ながら、シャラメは瞬殺されてしまうが、ベールやパイクのファンなら、より楽しめる事だろう。
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