みほみほ

バッファロー’66のみほみほのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
4.0
🎳2023年195本目💃(字幕)

独特だけど意外と真っ直ぐな作品でシンプルに好き。最初は男の突飛な行動と少女のあまりの無抵抗さにおいおい…と思いながらも、少しずつ男の心情が見え隠れしだすと見える世界が全然変わってくる。自分の心の傷みとリンクする瞬間もあり、思いもよらぬ感情になったことに驚いてる。

もっとぶっ飛んだ作品だと思っていたけど、期待通りどこかおかしく突き抜けたものが常に存在してる感覚でありながら何故か妙に優しいみたいなふんわり感もあり、映画としての雰囲気が抜群に良い。

クレイジーな男に驚いていたら、それ以上にぶっ飛んだご両親に全てを持っていかれた。そうか…そもそもの元凶はまずここからか…というね。
お母さんやべえ!と思ったら、それ以上にやばいお父さん。

そして印象的な食卓のカメラアングルが面白くて、明らかにチグハグなのにちゃんと同じ空間として成り立っていて斬新でした。

愛されない孤独と愛を欲しているのに拒絶でしか自分を保てない男の苦しみの心情と、少女の周囲に同情的でどこか不安定で爆発力のある純粋な気持ちとが合わさって、独創的かつ味わい深い良さがありました。

愛も安らぎも自信も、誰にとっても必要不可欠。肩の力を抜いたらきっと未来は少し良くなると背中を押された気分になれました。ボーリングに打ち込んでいる瞬間の男の顔からは不安さえ消えていたもんな。

ヴィンセント・ギャロって名前は聞くけどあまり知らない俳優さんでしたが、雰囲気があってとても味わい深い人で見惚れた。今でいうホアキン・フェニックスのような深みがあり、眺めているだけでも絵になっていて素敵だった。

クリスティナ・リッチも出演作は観た事はありながら認識はしていなかったのですが、ぽっちゃりしていて可愛い。ボーリング場🎳でのタップダンスのシーン良かったなぁ…キリッとした雰囲気とあどけなさが合わさり、男との不思議な距離感の中で個を発揮していて 輝いてた。

名作と名高い「レオン」は受け付けなかった私ですが、本作の恋模様は少女にどこか共感もあり、助けてあげたいという包み込むような優しさが自分の中にも存在するので、抵抗なく観ることが出来ました。(レオンの少女とは年齢設定も違うしね笑)

展開に見入ってど忘れしてたけど、冒頭のトイレ探すシーンが地味に面白かった。冬空の下、もう少し大丈夫と思ってトイレに寄らずに一駅分歩いてやらかしてしまった冬の日を思い出し、自らの経験(しかもついこないだの冬)に重ねて笑いました。しかし尿意も引っ込むくらいの怒りって本当にあるのかな?出る時は出ちゃうと思うのだが🤭笑


U-NEXT入ってからずっと気になっていたけど、気乗りしなくて全然手をつけられずにいましたが、突如として観たくなりようやく鑑賞できた。最後まで食わず嫌いして放置せず、ちゃんと観て良かった👠👠👠
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