TAK44マグナム

レッドチームのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

レッドチーム(1999年製作の映画)
1.8
逮捕したって税金の無駄だし殺っちまおう!
そうしよう!それこそジャスティス!


連続殺人犯専門の連続殺人犯と戦うサスペンス・スリラー。
主演は、「スターシップトゥルーパーズ」でデニス・リチャーズとイチャついていたら脳みそをチュルチュルされちゃったパトリック・マルドゥーン。
共演に、第二の挑戦は無かった「レモ/第一の挑戦」のフレッド・ウォード、「E.T」「ヒッチャー」のC・トーマス・ハウエルなど。

うむ、地味です。
ジャケ絵に格好いい戦闘機が目立ってますが、そんなのこれっぽっちも出てきません。ハッタリかますにも程がある!

主人公は、シリアルキラー専門の部署「SKAT」に所属するFBI捜査官であるジェイソン。
「SKAT」内にはエリート捜査官のみが在籍を許される「レッドチーム」という特別班もあって、ジェイソンも誘われます。
そんな頃、ジェイソンは、どうやらシリアルキラーたちが次々と秘密裏に処刑されているらしいことを知ります。
DVDのパッケージにも堂々と記載してあるので書いちゃうと、その犯人というのがレッドチームの面々なんですね。
なんだか「ダーティハリー」みたい。
そんなわけで、世間に真実を公表しようとするジェイソンは、彼らに命を狙われる羽目になってしまいます。
エリートだけの特別チームといっても、人物紹介的な何かも殆どないし、みんなルックスからしてショッパイ(汗)。
しかもツメが甘い上にけっこう弱いときたもんだ。
こんなのが敵なので、さっぱり盛り上がらないのです。

ジェイソンもジェイソンで、いうなれば職場の仲間たちが殺人犯なわけじゃないですか。それなのに、そんなに悩むふうでもなく、あっさりと「法が大事」って・・・ドラマもへったくれも無い。

レッドチームが犯人と分かったあとは、もう予測可能なことしか起きません。ノー・サプライズ!
終盤の展開は残念なほどにグダグダだし、オチも驚いて欲しいのだろうけれど、「それはそうだろうね」としか思えず(苦笑)。
そりゃ、こちらも驚きたいんですよ?
でも、どうにも頭が弱い脚本なんだもの・・・
ラストカットに漂う、なんとも言えない寂しさは何なのだろうか。

本作の見どころを無理やりに探すと・・・
まず、いきなりキモいオッサンが裸で踊っているところから始まるっていうのが、ある意味すごいと言うか。
普通、最初が肝心じゃないですか。そこを敢えて、美女じゃなくてキモいオッサンを持ってくるあたりが憎い。
・・・・・いや、本当に憎い(笑)!
観る気力を最初でへし折ろうとするのは止めなはれ!

そして、最大の見どころと言えるのは、E.Tとチャリンコで空飛んだ少年・・・そう、C・トーマス・ハウエルが!
何としたことか、まるでネオナチみたいなスキンヘッドのシリアルキラー役を演っているという、YAスター時代を知るファンからすれば見たくないであろう姿を晒しているところでしょう。
当人的にはイメージを変えたいってのもあるのかもしれませんが、主人公と絡む面白い役柄ではあるものの、体を張って頑張るほどの作品に仕上がっていないのが致命的。
C・トーマス・ハウエルだけでなく、出演者みんな、それなりのキャリアの持ち主なだけに勿体無いと思います。

「これを観ないと殺すぜ!」とシリアルキラーに脅されない限りは別に観なくても支障がない凡作。
C・トーマス・ハウエルがスキンヘッドの花屋を営んでいるのを観たいというコアな方のみ、オススメしておきます。


セルDVDにて