FATMAX夜食のデブロード

ルーザーズのFATMAX夜食のデブロードのレビュー・感想・評価

ルーザーズ(2010年製作の映画)
3.4
使い捨てされた軍人達のリベンジアクションだがノリは基本軽めでコメディ色が強い。
元々はDCのコミック原作だそうでアクション演出も漫画/アニメ的でケレン味強め。

プロデューサーにジョエル・シルバーという事で納得。テンポは良いが公開時よりも前の懐かしいトーンである。

日本未公開DVDスルーだが、正直言えば少し納得出来なくもない。

「チョイと全般的に薄味なんだよ。」

軽い事自体は別に良いのだがテンションの上がり方にもう一声欲しい所で止まってしまう。
【特攻野郎Aチーム THE MOVIE】を観た時にに近い感覚だった。

少し足りないながらも決して駄作という程ヒドくはない。
むしろそれなりに面白くは出来ている。

何も記憶に残らないが観てる間は楽しい…そんな位置付け。



ただ、ホンネを言えば主軸の"復讐"というハードな話とコメディのバランスが観ていて少々落ち着かない。

Aチームは ほぼコメディ全振りだったが、コチラの作品は冒頭でかなり内容的にハードな演出がある。

コミカルな部分を強くし過ぎたせいか、ココに対して溜飲の下がるモノが無い。

その冒頭の展開に付随するあのキャラクターの行動理由も、破城してるとまでは言わないが強引な印象は拭えない。
(↑まぁコレは割り切れなくもないがw)

何よりシリーズ化する気満々なあのオチがコメディとしては合格な分、リベンジアクションムービーとしてはかなり煮え切らないのだ。

「いつかスカッとさせてくれ!」という引っ張りに頼り過ぎたオチのせいでスカッとせず、結局 続編は無かったってのも「…ま、そうか。」って思えてしまう。


『バランスって難しいね。』



とはいえマンガ的でカッコ良い絵ヅラは結構あるしキャラクターも個性的で概ね話運びはまとまっているので、やはりこのテのジャンルが好きならそんなに「ダメだこりゃ!」とはならないと思う。


更に言えば、コレは当初より今(2021年)だからこそ面白さが増していると言える。

完全に"カッコ良さ全開"なジェフリー・ディーン・モーガンは【ウォッチメン】だ。

それに何と言ってもクリス・エヴァンス/ゾーイ・サルダナ/イドリス・エルバの3名はこの作品の後にマーベル参戦である。

ヒーロー物が好きな人なら飛びつきそうなキャスティング。時が経った今、

《埋もれたドリームマッチ》

として観るとファンムービーとしてかなりアガれる作品ではないかと思う。

特にクリス・エヴァンスはチーム内でもイロモノ的ポジション。
ファンは間違いなくセンスのよじれたTシャツを着たくなるハズだ!(ウソ)


「今だからこそ再評価」とまでは言わないが、《今だからこそ楽しいお気楽映画》としてヒマな時に観るのは充分にアリだと思う。

個人的には それだけのメンツが集まっているわりに1番カッコイイと思ったのはスナイパーのクーガーなんだけどねww