Mariko

ジェシー・ジェームズの暗殺のMarikoのレビュー・感想・評価

4.1
英雄視されることも多い極悪非道の犯罪人ジェシー・ジェイムズを扱った作品の中ではある種異色といっても良い文芸的な味わい、見ようによってはゴッドファーザー(特にPartII)のようでもある。
私自身は『ロング・ライダーズ』から『ミネソタ大強盗団』に遡り、近年なんでも手軽に観られるようになってから『地獄への道』なんかも観てきたし、その間にプリファブ・スプラウトの"Jesse James symphony”と"〜Bolero" を聴いた時には「これってあのジェシー・ジェイムズ?!」と感動したまであるので、物凄くおもしろかった。けれど、この展開はジェシー・ジェイムズって何者?をまったく知らないと「???」になるだろうなあ、長いし。

観るまではブラッド・ピットがジェシーってどうなの?と思ってたけど、いや役者っていうのは凄い、無言で微笑んでる時がいちばん怖い無法者にどハマりしてる。そして、むしろこちらが主役では?のケイシー・アフレックの湿度高くていや〜な感じも素晴らしいし、大好きなサム・ロックウェルがこの超曲者二人のあいだで、珍しくも「この中ではいちばん何考えてるかわかりやすい奴(笑)」を演じてるのも面白かったし、やっぱり上手い!!!

あとは流石のロジャー・ディーキンス。やっぱり光と影の使い方が絶品で、またしてもワイエスの絵画のような映像はもはや芸術作品の趣き。
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