TAK44マグナム

ジャン=クロード・ヴァン・ダム/アサシン・ゲームのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

3.5
忘れていたわけではない・・・と思いたい、週末はヴァンダム!
というわけで、例によって例のごとくジャンでクロードなヴァンダムさん主演作をご紹介いたしましょう!

「アサシンゲーム」!
そう、殺し屋さんのお話であります!

共演・・・というか、たぶん主演はこっちの方なんではないでしょうか?
「エクスペンダブルズ2」でも息の合ったところを見せてくれたスコット・アドキンスと、時には対立し、時には協力しあい、恐るべき敵と戦う感じです。
まあ、よくあるって言っちゃえばよくあるストーリーなんですが、新旧B級アクションスターが本格的にがっぷり組んでいる映画ってのもオツなものですよ。
ただ、アクション映画っていう割には、アクションはソコソコだったりするのですが・・・

インターポールが犯罪者を秘密裏に殺し屋を使って処刑していたというスキャンダルが明るみに出そうになります。
このままじゃヤバイと焦った汚職警官たちは、使っていた殺し屋であるスコット・アドキンスを消して、しらばっくれることに決定!
スコットが個人的に恨みを抱いている犯罪者のポロをエサにして、彼をおびき出そうと画策します。
一方、とんでもなく几帳面で、ヴァイオリンをたしなみ、それでもって飼っている亀が唯一の心の拠りどころというフリーの殺し屋ヴァンダムのところへ、ポロを暗殺するという仕事が舞い込みます。

ここいら辺は、実はかなり強引な筋運びなんですけど、二人の殺し屋が同じターゲットを狙うことになるというコンセプトなので仕方ないんでしょうね。

それでもって、当初のスコットとヴァンダムは、「俺の獲物なんだから邪魔するな」と対立したりするんですけど、「ちょっと待てよ?二人でやった方が簡単で良くね?」と利害関係が一致して180度方向転換、以後は協力してポロを暗殺することに。

で、更に色々あって、なんだかんだインターポールの悪だくみのおかげで二人はハメられちゃいます。
もうダメ、死んじゃうっていうぐらいの大ピンチを、二人の殺し屋はどう切り抜けるのか!?

冷静沈着で周囲と距離をとった生活をしていたヴァンダムが、ひょんなことから「感情」や「弱点」を持ってしまい、そこを突かれて静かに怒るところは、ちゃんと時間をとってヴァンダムのキャラを描いているので無理がなく良かったです。

スコット・アドキンスとヴァンダム以外のサブキャラクターも、それぞれ魅力があって、その点も好感もてましたね。
善人は善人ぽく、悪人はメチャ悪人というわかり易さに満ち溢れているし、女性キャラも若いのからオバハンまで魅力的。
ただ、出てくる人出てくる人、ほとんど死亡ですけどね!
あと、何気に、ヴァンダムに殺しの仲介をする組織のボスがチョコ好きだったりして良い味だしまくっておりましたよ。

しかし、やっぱり100分のアクション映画にしてはアクションの配分が少な目でしたなあ。
冒頭のヴァンダムの仕事っぷりや、短いながらもスコットとヴァンダムのバトル(ナイフを板で受ける場面が好き)もあったりするんですけれど、やっぱりもう少しババーンとドカーンってやって欲しいところ。
これが若いころのスタローンとシュワちゃんだったりしたら、そりゃもうお祭り騒ぎですよ、きっと!
ババババババーン!!で、ドガドガドガーン!!ですよ!
なんというか、単純なアクション不遇の時代のせいもあるのかもしれませんが、ちょいと地味なんですよね・・・

二人が強すぎて、敵がわりと簡単にやられちゃうのもいけないのかも。
どうせなら100人ぐらいの敵がわらわらと出てきてもいいのに(人員は何人でも使えとインターポールのお偉いさんも言っていたのに!)、5、6人しかいなかったりと予算の都合がそこかしこで見え隠れするのが悲しい現実!
そんななので、男の魂が炸裂しそうだったクライマックスもしょぼくれちゃって何だか切なくなりましたよ。
とある新兵器もぶっぱなしたりして見栄えは最低限たもっておりましたが、もう少しどでかい花火を打ち上げて欲しかったのに残念でした。
でも、エピローグの暗殺シーンは、それなりに良い幕引きだったかも。

本作の注目点は、現在のアクション界随一の動きが素晴らしいスコット・アドキンスのドロップキックは勿論、何といっても童貞臭ただようヴァンダムのキスシーンでしょう!
殺ししか知らない殺人機械が、初めて知る愛情に戸惑い、たどたどしくキスをする・・・・・そんなヴァンダムに、勝手にTakaデミー賞を授与したいと思います!

全体的な完成度は、近年のヴァンダムービーの中では悪くはない方じゃないですかね。
とりあえず眠くならずにバッチバチで鑑賞できましたし、世間の評価は良くないみたいですけど個人的には面白かったです。
とはいうものの、ヴァンダムとスコット・アドキンスが激突するということ以外にこれといったウリが無いのも事実、そこから先をもっと突き詰めてアクションバカな感じで作って欲しかったかな。
いつになく渋くクールでいようと頑張っているヴァンダムをはじめ、雰囲気は格好いいだけに惜しい映画でした。

それにしても、なんでこういう映画って、逃走シーンになると決まって厨房を通って逃げるんでしょうね。
包丁投げたりできるから(苦笑)?


huluにて