ゆりあ

ブラディ・サンデーのゆりあのネタバレレビュー・内容・結末

ブラディ・サンデー(2002年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ドキュメンタリータッチで、且つ各陣営の人たちを平等に描写していくから、「そこ」に至るまでの皆の気持ちが十二分に理解できて、だからこそ見ていて胸が痛かった。

平和的にデモ行進をしたいだけだった下院議員の悲痛も(そしてその見込みの甘さも)、最小限で事を抑えるつもりだった司令部のフォード少将と、現場にいる兵たちのギャップも、それを諌める権限もなく見守ることしかできないラガン警視正も、現場の混乱も、何人殺したと興奮する軍人も、彼らはただの市民だ、武器を持っていなかった、お前たちがしたことを俺は見たぞと興奮する仲間たちを指弾した兵士が、査問された際に発言を翻さるを得なかった同調圧力も…。全員の気持ちが、全てではないにしても、ちょっとずつ理解できる側面はあって、だからこそ見ていて辛かった。

個人的にIRAについては疎く、今までピンときたことはなかったのだけれど、今作を見てその根深さの一端を垣間見たように思いました。もう本当に、ただただひたすら、辛かった……。
ゆりあ

ゆりあ