カニパン食べたい

トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーンのカニパン食べたいのレビュー・感想・評価

3.9
初っ端から飛ばしまくってる気の狂った宇宙飛行士 VS なんかメランコリックな病み精神科医の会話劇。観ているだけで消耗する。疲れたな…っていう頃合いに唐突に始まる魂の対話。ここから一気に引き込まれて物語は急展開。遠藤周作の小説の中にもこんなテーマが置かれていたけど、そのキリスト教圏で、その時代、そのそれぞれの立場で、神の実在は肉体の生死以上に重要かつ切望するものであったんだろうな〜と感じて観ると物語の深みと結末の意味づけはさらに増す。作家は敢えて書かなかった救済をこの映画ではきっちりと描いているので安直と言われようが後味はいい。救われた魂をタイトルがポエティックに表している。

酒場の男がどしてあんなに発狂したのかはちょっと分からないけど、べつにいいか。