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ザ・ビッグ・ワンのarchのレビュー・感想・評価

ザ・ビッグ・ワン(1997年製作の映画)
3.5
自身のベストセラーのプロモーションツアー50日間のついでに、大企業のレイオフ問題を切る。『ロジャー&ミー』の豪華版といった規模感でアメリカ全土に渡り、多数の大企業の利潤優先の姿を捉えていく。

前作に比べても撮影体制が非常に整っており、複数台のカメラで臨場感ある撮影が行われている。前作と違うのは「労働者の味方」としてのポジショニングによって、ヒロイックな物語を展開しているところ。前作におけるその題材を撮る権利は「地元」であるところに集約されているわけだが、本作ではその「前作」があったからこそ、それほど多くの導入を必要とすることなく、ドキュメンタリーの趣旨が伝えられている。

前作より画面に映り込むマイケル・ムーア。そのちょっと自己顕示欲が膨れ上がっているところも含めて面白く、彼のブラックユーモアも冴え渡り、ガス抜き映画としての強みはいっそう強くなっている。
面白いのは今回はちゃんと社長に逢えているとところ。あの『AIR』なんかにも出てくるナイト社長と対面するのだ。ネームバリューって良い方にも転がるんだなぁと感心してしまう。

今回もちゃんと面白い映画で、ユーモアと社会性を兼ね備えた優れたドキュメンタリーでした。

リチャード・ジュエルが出てきてびっくりした
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