【貧困絵日記】
香港の喜劇王、チャウ・シンチーの原点と言える「ドン底から這い上がる青年のガムシャラな奮闘」を描いた『少林サッカー』の原点と言えるコメディ風アクション。
主演シンチーの演じる青年が飾り気がなく少しマヌケで人間臭いキャラクター。まさしく『カンフー・ハッスル』や『ミラクル7号』のルーツ。徹底的にダメダメなのにどこか格好良く見えてくる一切美化されたところがない男。善人とも悪人とも付かないセコさと柔軟さの同居する非常にとっつき易いキャラなのだ。
ブルース・リーのように超人的なヒーローでなく、ジャッキー・チェンのようなおちゃらけた優男でもない、掴みどころのない主人公がより現代的で親しみの湧くキャラ造形だった。ストーリーは割とシンプルだけど悪人を一網打尽にするダメ人間シンチーの活躍が実に爽快なカンフー映画の佳作。
『少林サッカー』的なベタベタな笑いよりもドラマティックな方のシンチーを堪能したい人にオススメの作。