ユーライ

湖のランスロのユーライのレビュー・感想・評価

湖のランスロ(1974年製作の映画)
4.1
初ブレッソン。理解不能ではなくむしろ傑作であることは分かる……が劇的さを排した作りが眠気を誘ってしょうがない。それは凄惨な殺し合いをどこか間の抜けた距離感で捉えている冒頭から始まっている。誇り高い騎士のベールを下半身で暴いていく下世話なお話。あの一途さは殆どヤンデレに近い。カット同士が有機的に繋がりながら、扉の開閉といった境界のイメージで窃視のサスペンスもある。映画的な面白さには満ちているが……。疾走する馬と人間の死が重なって最後に映るのが青空、リアリズムからは出てこない無常なロマンだと思う。
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