kito

ショーン・オブ・ザ・デッドのkitoのレビュー・感想・評価

3.9
期待通り、とても面白かった。

ゾンビ・ジャンルの有名人気作なのは前から知っていてずっと観たいと思っていた一本。Amazon Prime 内で海外ドラマ目当てにサブスクしているシネフィルWOWOWプラスの見放題にオンリストされたのでさっそく。

少々コメディタッチでしかも英国流ブラックユーモアなのでいささか好みは分かれると思う。私は欧州モノも全般に好きなのでどっぷりハマった。

ハリウッド謹製のカラッとしたコメディとはだいぶテイストが異なり、どんよりした英国の空模様のような雰囲気で思わず苦笑いが誘われるタイプ。最近観た「ベニー・ラブズ・ユー」が同じ系統の英国コメディホラーでどちらも面白かった。

ストーリーはいたって単純で突然ゾンビ・パンデミックが勃発。サイモン・ペッグ演じる冴えない主人公をリーダーに、両親、元恋人、親友、友人カップルの計7人のサバイバルが描かれる。

もっともゾンビ・サバイバルと言っても格闘シーンはさほどなく、むしろメンバー間の "普通の人々" の衝突がメインで、そういう観点ではパニック心理の人間ドラマを観る映画と言える。

恋人に愛想を尽かされ、義父との拗れた関係性に悩み、腐れ縁な親友、三角関係の友人と、何ともややこしい関係性で、ある意味、誰にでもありそうな悩ましい人間模様ーーそれらがゾンビというパンデミックをきっかけに一気に爆発するという設定。

確かにゾンビはさすがに非現実的ではあるけれど、リアルに未知のウイルスでコロナ・パンデミックを経験した現在、単なるフィクションとしてだけでは観られないものがある。

必要で期限のある要件のため、非常事態宣言下、ガラガラの駅を歩き、ほぼ貸し切り状態の新幹線に乗ったあの経験は忘れられない。

脚本にも絡んでいる主演のサイモン・ペッグはやはり「ミッション・インポッシブル」の印象が強い。あの少しおっちょこちょいでとぼけたキャラは彼の持ち味。

また、後にドラマ版「SHERLOCK(シャーロック)」のワトソン役でブレイクするマーティン・フリーマンがほんの数秒、ワンシーンで登場する。

🖥️ シネフィルWOWOWプラス
kito

kito