YasuhitoArai

55年夫妻のYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

55年夫妻(1955年製作の映画)
3.6
グル・ダット監督作品。
女性運動家の叔母に育てられたマドゥバーラー演じるアニタは、亡き父の遺言により20歳になって1ヶ月以内に結婚しないと莫大な遺産が相続できなくなってしまう。叔母により偽装結婚の相手としてグル・ダット演じる貧しい漫画家プリータムが選ばれるが・・・という話。

1955年インドで、離婚が認められるようになったヒンドゥー婚姻法が出来た時の世相を反映した作品。結婚と離婚、夫婦関係というテーマが主軸にありながら、ロマンチック・コメディとして描かれている。『渇き』や『紙の花』のような暗さは薄い。ヒロインのマドゥバーラーの明るく、可憐な様が作品の明るさに加味していた。そして脇役ジョニー・ウォーカーの安定感。

女性運動家等が出てくるが、女性が家庭に喜びを見出だすのを良しとするようなストーリーで、幾分保守的。
グル・ダットは貧乏な役が多い。コメディでありながら、グル・ダットが重い表情をしているシーンも幾分あった。
ただ、明るさと歌を基調にしているので、現代インド映画に通じるものも感じ取れた。
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