ロンドンのカトリック系私立女子高で起こる連続猟奇殺人を描いたジャッロ映画の古典。
DVDのジャケットではガーリーでロリータな要素を前面に出していはいるが、実際はそこまででは無い。
アルジェント一派の様なビビットな色彩でビビらせる事は無く、欧州映画らしい落ち着いた色彩で描きながらも、犯人目線のPOVとか、黒い皮手袋とか、夢でも見たんじゃないの?という様な何それ目撃証言とか、のぞき穴から動く目とか、ぞわぞわさせる殺害方法とか、犠牲者が特に意味も無く裸になるとか・・・とにかくジャッロ映画以外の何物でもない。
原作があるせいか、ミステリーとしてプロットが(それほど)破たんしていないのも高評価・・・かな?
音楽はエンニオ・モリコーネ御大なのだが、見終わった後に何も耳に残っていない・・・。
その一方で、カメラマン出身のマッシモ・ダラマートの美学を感じる映像は魅力的で、なかなか見せるカメラワークも多い。そんなカメラを操ったのは、後にラウラ・ジェムサーと組んだ「黒いエマニエル」シリーズなどエログロ映画やポルノを租税乱造したジョー・ダマトと聞いてひっくり返った。才能あったんだな・・・。
後半に登場するソランジェ嬢が異常に怖い・・・とか、ハッとさせる要素が多々あり、ジャッロ映画の古典というのは納得がいく作品。
余談ながら、あれだけ裸になって乳繰り合っても本番はしていないとは、カトリックって凄いな・・・と思いました。
しちゃった娘さんだけが酷い目にあうんだが。