浅野公喜

野獣死すべしの浅野公喜のレビュー・感想・評価

野獣死すべし(1980年製作の映画)
3.8
角川映画の方ではなく、ナポリを舞台に現地とフランスのギャング抗争を描いたルチオ・フルチ監督が代表作「サンゲリア」直後に撮ったアクション。やっと観れました。

意外と様々なジャンルを手掛けているものの、特にホラーに定評のあるフルチ監督だけに徹底したヴァイオレンスや人体破壊描写が見物。「マッキラー」の如く顔こそ削れませんが崖からゴロゴロと人間が転落、銃撃で喉元や腹そして頭から派手に肉片や脳みそが吹き飛び顔が粉砕、ガスバーナーで頬がじっくりと焼かれ顔が崩れた遺体をじっくりと見せる。また、主人公の妻を暴行し泣き叫んでいる声を電話越しで主人公に聴かせる等無慈悲な演出はギャング物といえども刺激強め。

ストーリーは主人公が意外と軸となり動いておらず最後の悪役の死に様があっさりしている不満も有りますが、古参のギャング達が立ち上がる胸熱の銃撃戦ではシャッターが効果的に使われ「お店開店しまーすやっぱ閉店しまーす」といった開店閉店ガラガラますだおかだ的要領で敵が始末され、ファンク要素も有るBGMも相俟って爽快感が。

フルチ監督も古参ギャングとしてマシンガン連射しており楽しそうでした(笑)。
浅野公喜

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