たく

素顔の私を見つめて…のたくのレビュー・感想・評価

素顔の私を見つめて…(2004年製作の映画)
3.5
「ハーフ・オブ・イット」でアリス・ウー監督に興味を持って調べたら16年前の本作が初監督作で、まだ2本しか撮ってないというのが驚き。

原題の"SAVING FACE"は「面子」って意味で、中国の中流社会で世間体を気にしつつ秘密を隠してる母娘のそれぞれの愛の話が展開する。
冒頭でウィルが顔パックしてるショットが面子を保って真実を隠してるという暗喩になってるんだね。
ウィルの同性愛と母親の相手が世間の常識に反する禁断の愛で、ウィルと母親がいつも家で一緒にドラマのビデオを見てたり、黒人の友達がちょっとポールみたいだったり、「ハーフ・オブ・イット」と共通する要素がたくさんあった。結婚式のシーンもほとんど同じ展開で、バスで最後尾に座るのがより「卒業」に寄せた演出になってたね。

ウィルが病院から呼び出される携帯の着信音がトルコ行進曲で、活発な曲調に反して短調なのが彼女のイライラした憂鬱な気分を表してるようで上手かった。
全編に流れるBGMがハリウッド映画風の軽いロマンティックな感じなのがウディ・アレンの小品を思わせたね。
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