皿鉢小鉢てんりしんり

反撃/真夜中の処刑ゲームの皿鉢小鉢てんりしんりのレビュー・感想・評価

反撃/真夜中の処刑ゲーム(1983年製作の映画)
3.6
“ストライキで警官の機能しなくなった街”という舞台立てをクールに伝える、誰もいない街並みと、主人公が手に取る新聞の見出し。
パンクスな女たちに押される車が通りかかり、押すのを手伝うと後ろから老人が追いかけていて、盗んだ車だったことが分かる。
この辺りの導入が完璧なのだが、残念ながら本編にここを超える切れ味はあまりない。
籠城作戦で、手持ちの貧弱な装備でいかに重武装の相手を始末するか、というコンセプトをロジカルに処理していくのは“ジャンル映画”としての矜持が感じられすこぶる共感が持てるが、同時にカーペンターの『要塞警察』の、敵サイドの動きを一切描写しないという選択がいかに洗練されたものであったかも思い知らされる。