不在

ル・アーヴルの靴みがきの不在のレビュー・感想・評価

ル・アーヴルの靴みがき(2011年製作の映画)
4.4
フランスの港町、ル・アーヴル。
印象派の名前の由来となったモネの「印象・日の出」に、この港が描かれている。
そこを舞台に、フィンランドの監督が未だ実在する美しい街や純朴で崇高な魂を描く。

本当に観客へ向けられているか疑問になる演技や、無表情の役者、カットを跨いで流れ続ける音楽やスポットライトのような照明等、カウリスマキが得意とするメタ的非現実世界で、移民というあまりにも現実的な問題が展開していく。
結末はご都合主義とも言えるが、これこそカウリスマキの創った世界なのだ。
不在

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