港町ル•アーブルで靴磨きを生業とする老夫マルセルが、脱走した難民の少年をかくまうお話。
初•カウリスマキ作品でした。
少年イドリッサが現れると同時に、マルセルの妻が病に倒れてしまう。
「もしかして、この子は悪魔の子?」という疑念など一切もたず、善意だけの精神で彼をかくまってあげる。
そんなマルセルの助けになろうとする町の人たちの姿も素敵だった。
金無いながらも、人と人とが助け合っていく姿は正に「人情」という言葉がピッタリ。
マルセルの、妻に対しての献身的な行動の数々もほっこりとさせます。
穏やかな晩春におすすめの作品。
とはいえ、抑えに抑えた脚本、演技が個人的に物足りなさを感じずにはいられませんでした。