すごい映画だった。この世に何一つ良いことをもたらしていなさそうなヤクザ男が、触れるもの全てを(主に不幸にもこの男に関わってしまったヤクザ達を)傷つけていく。
人の家に上がり込んできて、背中まげて俯いて一言も喋らず金をとっていく姿が疫病神そのもの。遺骨入った木箱を常に抱えながら歩き始めてキャラクターとして完成するところがある。遺骨かじり出す場面がやべー。
カメラがかなりの確率で斜めに傾いていたり、荒ぶっていたり、被写体が多過ぎてパンクしていたり、といったスタイルがどうでもよくなるくらい映っているもの自体がすごい。渡哲也の動機が全然分からないから映画として弾けている。