<概説>
かつて消防士の父親を火災で亡くした兄弟は、因果にも今同じ消防隊として炎と苦闘を繰り広げる。爆炎を操る連続放火魔との戦いの中で描かれる、男達の骨太ドラマ。
<感想>
たしか昔USJのアトラクションで派手な爆炎エフェクトを見せられて以来、勝手にアクション映画だと思っていたんです。しかし今更改めて視聴すると、意外なことに様々な要素がいい塩梅に絡み合っていました。
兄弟の友情や確かな戦場での絆。勧善懲悪と知能犯との追いかけっこ。前年の『羊たちの沈黙』を思わせる凶悪犯との共闘など、色気皆無なガソリン臭い男達の浪漫の塊です。
正直ツッコミどころがないでもないのですが、『ワイルドスピード』のように熱量でそんなのは全部ねじ伏せる。オイル缶は打上花火になるし、謎解きは火災現場でする。アツいから細かいことは気にしない。だってアツいから。
男達もすごくイイ。二枚目ブライアンや無骨なステファン。まさかのデ・ニーロのドナルドやまさに凶悪犯といった風情のロナルド。全員キャラが立っているので問答無用でどのシーンも楽しい。
ただ欠点としては本作でサイレンは聞き飽きました。
もうサイレンは鳴らないで欲しい。