いめーじ

ネクロマンティック2のいめーじのネタバレレビュー・内容・結末

ネクロマンティック2(1987年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

ネクロフィリアの美人看護師と屍体(前作のロベルト)とポルノ映画の吹き替えをしている男の物語。
文字だけではキャラ設定がヘンテコに見えてしまうが、物言わぬマグロを求めてるネクロフィリア女と、喘ぎ声を仕事にしている男を組み合わせた発想は天才的。

前作の元カノが墓荒らしに出遅れてたの笑った。
主人公が腋を剃ってなくて時代を感じる。ガッツリ映る背中が綺麗。
最初は臭すぎたようで吐いていたけれど、自分の性癖に振り回されてる感じは無いし、社会性もそれなりにあって、屍体への愛に確信を感じられる。
ネクロフィリアの屍体をネクロフィリアが楽しむサイクルは社会に優しい。まぁ犠牲者が出たんだけどね。
2ショットはめちゃくちゃ良いシーン。
冷蔵庫のチンポコ発見が大した問題にならないの笑う。

デートパートは無駄に長くて浮きすぎだけど、常に家の屍体が頭をよぎって奇妙な感覚で見れたし、アザラシかわいかったし、恋愛と性的嗜好の分離感を描くには必要だったと思える。
ポルノ声優は彼氏だけど夜の営みでは屍体の代替品みたいなセフレ扱いだな。

アザラシが唯一の癒しだなぁと思っていたら、ネクロフィリア女子会で解体ビデオの鑑賞会が始まったのタチ悪すぎだろ!現実でもオフラインで交流するネクロフィリアコミュニティとかあるのかな…。
アザラシの鳴き声は喘ぎ声みたいなイメージがなくもないし、もしかするとアザラシビデオは後の彼氏殺しを示唆するものなのかもしれない。

「性器のアップで興奮するほうが変態でしょ!」みたいなセリフがあったけど、俺も「性器のアップ画像ってエロいか?」と疑問ではあるし、足フェチに対して「足首から下が好きとかどうかしてるぞ!」って思っている脚フェチなので、自分と違う性的嗜好を異常扱いする姿勢はむしろ一貫性を感じられる。

ここまで屍体を描くのに前作から虫がまったく湧かなくて不思議なのだが、そこも性癖が反映された拘りなのかな?

ラストはある意味で感動です。
前作でロベルトの元カノは鉄パイプの偽ペニスをよく分からん屍体に着けてヤっていたけど、今作の主人公は愛する生首と新鮮な生ペニスで交わっていて対比的に見えた。行為中の頭部切断は血飛沫がステキ。
屍体から始まる恋が、産まれる命があるのだと教えてくれるロマンティックな映画ですよ…

前作の方が哀愁あってカルト的で深く刺さりますが、2は全体的に分かりやすいし画も良い。
意図があるのか尺稼ぎなのか…クソ眠くなるシーンが前作の倍以上あって何度も意識が飛んだけど、部分的にはマジで傑作。