爆裂BOX

100年後...の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

100年後...(2006年製作の映画)
3.3
夫を亡くし、山奥の一軒家に引っ越すことになったカレンと二人の娘。だが、その家は100年前に多くの子供達が生き埋めになった鉱山事故現場のすぐ近くにあり…というストーリー。
「28日後...」に便乗したやる気ないタイトルですが、鉱山事故によって死んだ子供達が怨念からゾンビになり、夜な夜な人間を襲う怨念系ゾンビ映画です。
死んだ夫が生まれ育った山奥の古びた一軒家に越してきたカレンと二人の娘が、不穏な気配を感じ怯え、やがて子供ゾンビ達に襲われるという展開ですが、薄暗い森や引っ越し先の不気味な家、その土地に伝わる呪われた過去など何処かゴシックホラーの雰囲気を感じさせます。
子供ゾンビ達は全員白い顔で走ります。スモッグが漂う夜の森の中を集団でツルハシを手にもって走ってくる姿は中々不気味でいい感じです。一応、自分達に過酷な労働を強いて生き埋めにして死に追いやった鉱山主の子孫に怨みを晴らすという目的はあるんですが、基本夜の森の中にいる者は無差別に襲われます。車を取り囲んでガンガンツルハシで殴ったり、車から引きずり出した犠牲者をツルハシでメッタ刺しにします。カニバル属性も持っていて、犠牲者に肉を喰らうシーンもありますが、上記の殺害シーンもそうですが、夜の森の中が舞台なので暗くて解り辛いのは残念。インパクトのある人体損壊描写もないですね。
少女ゾンビと仲良くなる下の娘役で幼女時代のクロエ・グレース・モレッツが出演していますが、天使のような可愛らしさです。この時から存在感ありますね。ちょっと反抗期なお姉ちゃん役はロブ・ゾンビ版「ハロウィン」でローリー演じてたスカウト・テイラー・コンプトンだったんですね。また、森に住む子供ゾンビ達の対処法知ってて主人公達助けてくれる変人役でベン・クロスも出演してます。
前半は不穏で不気味な雰囲気漂うも地味で静かな展開ですが、後半は子供ゾンビ達がドンドン襲撃してきます。そこまで派手な描写は無いですが。
終盤の山小屋の窓ガラス子供ゾンビ達がツルハシで割って侵入して来ようとする展開はほんの少し「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」っぽくてゾンビ映画として悪くないですし、子供ゾンビ達をショットガンなどの銃で撃つシーンが出てくるのはちょっとビックリ。
最後の頭上で人が殺されて血が頭に降り注いでくるけど身動きできないという嫌~な状況は良いですね。
ラストの感じだと怨み晴らせても成仏するわけじゃなくあの家で住み続けるのかな。子供達は目的達成できて満足だろうけど、喰われた配管工の老人や姉と仲良くなった地元の子達はたまったもんじゃないな。
地味な作品ではあるけど、B級ホラーとしては普通に楽しめる作品だと思います。このタイトルとジャケで損してる感はあるなぁ。