ゆっきー

血槍富士のゆっきーのネタバレレビュー・内容・結末

血槍富士(1955年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

泣いた!前半は人情物のロードムービー&群像劇って感じなのだが、主君をチンピラ侍に殺されてからの片岡千恵蔵の立ち回りは壮絶。全然美しくないが、ドブ水にまみれながら、クソどもを刺殺していくぜ?主人の死を目撃した時の千恵蔵の強烈な顔のアップのカット!

どうしても後半の仇討シーンばかり印象に残るんだけども、千恵蔵と、なついてくるクソガキとの交流はほっこりする。千恵蔵がガキの背中に何かをこっそり入れると、「冷たい冷たい」言いだして、全部服を脱いで、何事かと思うとお金が落ちるシーンなんてすげー素敵だった。

娘を亡くしたおっさんが、娘に似た女を間一髪で足引きさせるシーンで、どしゃぶりだった雨がイキナリ止むんだけども、これが素晴らしい。いきなり雨が降るシーンはよく見るけども、止むのはあんまり見なくてさ。

でラスト、二人の遺骨を首から下げた千恵蔵がとぼとぼと画面手前に歩いてくる移動撮影。画面奥には野次馬ども。名シーンですね。ラストカットのとーーくの糞ガキも泣ける。っていうか泣いた。ありがとううっちー。千恵蔵。
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