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血槍富士のyukaのネタバレレビュー・内容・結末

血槍富士(1955年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

監督 内田吐夢
企画協力 伊藤大輔、小津安二郎、清水宏
というなんとも豪華な顔ぶれ
溝口健二も関わったらしく才能が集結してる感がすごい

ユーモアと人情味あふれる旅道中
こんなのんびりした感じでいくの?と拍子抜けしていると終盤に怒涛の展開、泣き叫ぶ子どもの姿で幕引きとなり愕然

「家来の手柄は主人の手柄」とする封建的な主従関係の在り方に疑問を呈する主人の考え方が進歩的なんだが
旅の中で市井の人々の素直な思いやりの心に触れたからこそこういう考えに至ったのだ‥ということにも泣ける

主人の死に駆けつけた権八(千恵蔵)はやぶれかぶれで仇討ちを果たすが、封建的価値観が色濃い当世の法により、主人の仇を取った立派な家来と讃えられお咎めなしとなる皮肉な結末

酒樽に槍が刺さり周囲が水浸しでアクションの迫力が2倍増しになるという殺陣の魅力もすごい

権八は本来ただの槍持ちであり、槍や剣術を使いこなす男ではないというのも、普通の殺陣とは一線を画す

間違いなく傑作すわ
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