爆裂BOX

首だけ女の恐怖の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

首だけ女の恐怖(1981年製作の映画)
3.5
黒魔術を研究しているキャシーは、バリ島のレヤク魔術を学ぶ為、「女王」と呼ばれる魔術師に弟子入りする。しかし女王は自身が若返るためにキャシーを妖怪首だけ女に変えてしまう…というストーリー。
かつて「ぶっ飛び妖怪シリーズ」としてVHSが出ていた、マレー半島に伝わる吸血妖怪ペナンガランを題材にしたインドネシア産のカルトホラーをフォワードさんがDVDに。こういうDVDにしてくれる可能性低い映画をDVDにしてくれるフォワードさんには本当に感謝です(画質はともかく)「ぶっ飛び妖怪シリーズ」には他にも「女騒霊 復讐のバイブレーター」なる作品あるようですね。
黒魔術を学ぶアメリカ人女性キャシーは、バリ島を訪れレヤク魔術を習得する為、現地で出会った恋人マヘントラに黒魔術師を紹介してくれるように頼み、紹介されたレヤク魔術の女王の元で修行するも、女王の若返りと野望を叶えるために首だけ女に変えられてしまうという内容です。
インドネシア映画というと「ザ・レイド」シリーズの壮絶バイオレンスアクションが話題を呼びましたが、「猟奇!食人族 密林の変態儀式」といい、この頃からぶっ飛んでますね。
ラスボスであるレヤク魔術の女王からして、登場するたびにものすごい爆笑しながら現れてウ〇コみたいな肌して異様に長い爪してインパクトあります(途中から普通の婆さん顔になっちゃうけど)、修行シーンも爆笑し続ける女王見てキャシーも爆笑し始めて動き真似てクルクル回るという修行なのか?と思わせるものになってますね。修行の一環で豚や蛇に変身するシーンの特撮が結構気持ち悪くて良かったですね。
作品の顔といえるキャシーが変身する首だけ女も、首が身体から離れるシーンの合成や空飛ぶ首が明らかにパペットだけど、そのチープさが逆に気持ち悪さと気味悪さ出すのに一役買ってます。首の下に内蔵ぶら下げてるグロテスク極まりないビジュアルもお見事。産気づいてる妊婦の股間に顔うずめて赤ん坊吸い出して妊婦ごと殺すシーンも、子供の時に見たら悪夢に見そうなインパクト。部屋に侵入するときに産婆さんに当たったら部屋の外まで勢いよくぶっ飛んでいく所は正直笑った(笑)キャシー役の女優さん結構美人なのによくこんな演技したな~。
唐突に弟子?と女王が火の玉同士戦わせてバトルしたり、蛇に変身した翌日に生きたネズミはいたキャシーが「女王と御馳走食べたはずだけど…」と言ったら「食あたりだろう」とネズミ吐いたことスルーする所も笑った。
しかし、何といってもマヘントラの叔父さんの善の呪術師と女王と悪魔の使いになったキャシーが戦うクライマックスでぶっ飛び具合は最高潮に達します。叔父さんは座禅したまま全身青く発光して空中浮揚で空飛びますし、女王も手書きアニメのビーム手から出して攻撃したり、前半でキャシーとマヘントラのいちゃつく所物陰から見てた怪しい女がいきなり女王に棒で殴りかかってやられてマヘントラの元カノであることが分ったり、何の伏線も前触れもなく現れる叔父さんの兄大騎士ギデオカが女王圧倒しながらバトル繰り広げたりと観てる此方を確実に置いてけぼりにする展開が続いて圧倒されます。主人公だったはずのキャシーが脇役の悪役になっちゃいますし。
最後のギデオカとの対決で女王が変身するオッパイついた豚人間も気持ち悪くて良いですね。あれだけ戦い繰り広げて結局女王の自滅で終わるとは。ここで思い出したように吸血鬼要素だしてきましたね。
話的には行き当たりばったりでいい加減ですが、気持ち悪くインパクトある特撮や首だけ女、最後の魔術対決など「ぶっ飛び妖怪シリーズ」の名に恥じない怪作でした。